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ライディング・ザ・ブレット

ライディング・ザ・ブレット


短い。

ネット上のいわゆる電子書籍として発売されたもの。

その後何カ国かで紙による出版が許された。

母親が倒れて入院したが手段がヒッチハイクしかない男。

向かう途中に気を失って幻を見る。

ところがそれは幻であったと思うと決してそうと思えない事実が男の前に突きつけられる。

いつも、怖気づかず、先を知りたくなる怖さを感じるのだけど、今回はこの怖さは

幻だと、うそだと思いたい今の現状に恐ろしい程当てはまる偶然・・・母の行く末とバッジがそれを幻にしてくれない。

なぜなら、幻中で、母の行く末を左右するのは自分が下した究極且つ倫理上はすることが善くないこととされている選択をしたからである。

作中で何度も表記されている「後悔先に立たず」は、そのことが気にかかっているという思いがあって、意味を持つ。

そうして話の状況はこの後、主人公を現実→幻→現実→そしてやっぱり幻だったとしておいて最後にいい塩梅でバッジが出て来て、読者をドスンと落とす。短いけどなんて面白いんだろう。